日本人の自己肯定感が低い理由の一つは「遺伝子」が関係してる?

工藤紀子
この記事の監修者
工藤紀子|代表理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 代表理事。自己肯定感の研究と実践に32年取り組み、のべ2万8千人以上に研修を実施。著書に『レジリエンスが身につく 自己効力感の教科書』『職場の人間関係は自己肯定感が9割』等。詳しいプロフィール →

高い自己肯定感が醸成されるのには沢山の要素が絡み合っています。

親との関係だったり、学校での教育だったり、幼少期にどんな遊びをしたか、栄養面、睡眠、大人になってからの家庭環境、パートナーとの関係など、数え上げればキリがないほどです。勿論、私たち(セルフエスティーム普及協会)はそれぞれの問題に関し様々なワークを通して解決策を提案できていますが、今日は、自己肯定感と遺伝子の関係についてお話しようと思います。

ヴェルツバーグ大学のピーター・レッツ医学博士らの研究で、セロトニントランスポーター遺伝子型の違いから、性格の方向性に違いがあることがわかってきました。

日本人の自己肯定感が低い理由の一つにセロトニントランスポーター遺伝子(ポジティブ遺伝子)の型が関係しています。セロトニントランスポーターはセロトニンの伝達に関係している遺伝子で、セロトニントランスポーター遺伝子には、SS、SL、LLと3つのタイプがあります。

LL型はセロトニンがよく働くタイプであり、このタイプを持つ人は精神が安定していて楽観的な人が多く「ポジティブ遺伝子」と呼ぶこともあります。逆にSS型はセロトニンが働きにくく不安状態に陥ることが多くなりますので、SS型を「ネガティブ遺伝子」と言い換えても良いかもしれません。

ご想像通り、日本人のセロトニントランスポーターの型は圧倒的にSS型が多く、人口の3分の2強を占めると言われており、LL型のポジティブ遺伝子を持っている人は人口に対して3%未満という調査結果がありますので、日本人は慎重で臆病、神経質になりやすい傾向にあるといえるでしょう。

一方、ポジティブイメージのあるアメリカでは、LL型の遺伝子を持つ人が3分の1近く、SS型は2割未満という結果があります。

日本人のセロトニントランスポーター遺伝子/SSタイプ……68.2%、SLタイプ……30.1%、LLタイプ……1.7%
アメリカ人のセロトニントランスポーター遺伝子/SSタイプ……18.8%、SLタイプ……48.9%、LLタイプ……32.3%
出典 クラウス-ピーター・レッシュ「サイエンス」1996 中村敏昭「アメリカン・ジャーナル・オブ・メディカル・ジェネディスク」1997

Youtubeなどでエクストリームスポーツ(過激な要素を持った、離れ業を売りとするスポーツ)の動画を見ていると、アジア人に比べて欧米人が多いのもこのセロトニントランスポーター遺伝子、特にポジティブ遺伝子のLL型を持っている人かどうかが影響していると考えても良いかもしれません。

ここで誤解して頂きたくないのは、ポジティブにはポジティブの良さがあり、ネガティブにはネガティブの良さがあります。最初に「高い自己肯定感が醸成されるのには沢山の要素が絡み合っています」と書きましたが、日本人はSS型を持っていてネガティブ(慎重)思考に陥りやすい傾向にあり、遺伝子は気質を決める沢山の要素の中一つなのだと「知識」として持っていることが重要なのです。

例え、先天的に遺伝子型が不安になりやすいSS型であっても、セロトニンを増やす行動(食事や運動)と、私たちがお伝えしている自己肯定感を高めるワークを通して思考癖を改善し、後天的にポジティブ思考にする事は可能です。

(文責:工藤洋一

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工藤 洋一 理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 理事。自己肯定感に関するコラム執筆・講座運営を担当。

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