心配への効果的な対処の仕方 | 一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会

心配への効果的な対処の仕方

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私たちは、日々何かしらの心配事を抱えているといわれています。

2019年セコムの「日本人の不安に関する意識調査」によると20代以上の男女500人を対象に、「あなたは、最近、何か不安を感じていることはありますか?」との質問を投げかけたところ、7割以上が「不安を感じている」と回答しました。中でも若年層に顕著で、女性20~30代の9割が不安を感じているという結果でした。

では、心配していることは実際に起こるのでしょうか?

シンシナティ大学のロバート・リーヒは著書の中で、研究結果をもとに97%の心配事は取り越し苦労であると述べています。しかし、「心配事は実際には起こらないから考えないのが一番」「考えても無駄」と分かっていても、心配や不安に囚われて堂々巡りになってしまうことが少なくありません。

精神科医の大野裕先生は、心配に囚われて次の行動につながる考えが浮かばないとき、考えすぎない3つの方法を教えてくれています。

①すぐに体を動かしてみる
体操でも、ストレッチでも、散歩でも、体を動かして、その動きに気持ちを向けると、心配な考えから無理なく離れていくことができるのです。これは動く瞑想ともいえます。

②過去のが楽しかった体験や良い体験を細かく丁寧に思い出すようにする
そのときと同じ気持ちになると、堂々巡りから離れていけます。

この2つを試しても心配が頭から離れない場合は、

③心配事を考える時間を決めて、限られた時間だけで心配事を考えるようにする
例えば、このコーヒー一杯を飲み終えるまでとか、10分間だけ、のように「心配タイム」を決めておけば、途中で心配事が頭に浮かんできても、決めた時間まで心配を先延ばしにしようと考えられるので、目の前にことに関心を向けることができるようになります。

また、マインドフルネスを活用して、呼吸に意識を向けて今に集中するというのも効果的でしょう。

心配や不安は、未来のまだ起こっていないことに対して、あれこれ考えることから生まれます。それは物事を否定的に見て、ネガティブな面しか見えていない状態から引き起こされています。

これは自己肯定感とも関係しています。自己肯定感が低いと不安や心配の傾向は強くなり、自己肯定感が高いと不安や心配の傾向は弱まります。

それはなぜでしょうか?

自己肯定感を高められると、自分の意識の向け方や認識の仕方が肯定的に変わるため、物事を客観視できるようになり、物事のプラスの面にも目を向けられるようになります。すると、目の前の心配事に囚われず、視野が広まり、希望や意欲につながる柔軟な考え方に変換していけるようになるため、心配や不安を作り出さなくなるのです。

心配への対処の仕方を知っておくことは、その状況になったときに非常に有効ですが、時間はかかっても自己肯定感を高めていけると、根幹から変わることができるので、少しずつ無駄な心配や不安とは無縁な自分になっていけるのです。

【参考文献】
セコム第8回「日本人の不安に関する意識調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000036837.html
「不安な心の癒し方」ロバート・リーヒ著
「職場の人間関係は自己肯定感が9割」工藤紀子著

(文責:工藤紀子)
4月 2024
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